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第2号(1月25日号)は、
・(株)野田バイオパワーJPの「野田バイオマス発電所」
を紹介しています。是非ご覧下さい。

バイオマス発電所紹介(1月25日号)

コープデリでんきがスタートした当初から電源産地のひとつであった(株)野田バイオパワーJPの野田バイオマス発電所を紹介します。

東日本大震災の被災地を雇用と産業活性化で応援

野田バイオマス発電所は、2011年の東日本大震災をきっかけに設立されました。野田村は約18メートルの津波に襲われ、多くのかけがえのない命を失い、住宅の約3分の1が流出、損壊しました。復興に向けて模索する中で、再生可能エネルギーの発電事業者と出会い、雇用の創出や周辺地域の林業と地元産業の活性化につながる発電所の設立が計画されました。そこへ再生可能エネルギーでつくられた電気を安定して調達したい日本生協連や東北の生協などが出資し、発電所が完成しました。

バイオマス発電の仕組み

木屑や間伐材などの再生可能資源を有効活用する「バイオマス発電」。その仕組みを解説します。

バイオマスって何でしょう?

「バイオマス」とは、再生可能な生物由来の有機性資源で、化石燃料と言われる、石油・石炭などを除いたものをバイオマスといいます。太陽エネルギーと水、土、空気を利用して生物により自然循環の中でつくられる資源であり、適正に利用すれば枯渇することがありません。それらの燃料を使用して発電する仕組みを「バイオマス発電」といいます。

「バイオマス発電」は燃やす燃料とその燃焼方法によって、大きく3つの種類に分かれます

※野田バイオマス発電所は1直接燃焼方式で発電を行っています。

  1. 直接燃焼方式

    バイオマス燃料を直接燃やして蒸気でタービンを回して発電。

  2. 熱分解ガス化方式

    バイオマス燃料を熱処理でガス化し、そのガスでタービンを回して発電。

  3. 生物化学的ガス化方式

    バイオマス燃料を発酵させるなど、生物化学的にガスを発生させ、そのガスでタービンを回して発電。

バイオマス発電の仕組み(直接燃焼方式の場合)

木を燃やしたら二酸化炭素は発生しないの?

バイオマス発電で大気汚染を軽減し、環境保全につなげられる

バイオマス燃料も燃やすと二酸化炭素(CO2)を排出しますが、生物が成長のために大気から取り込んだ分を放出するのと同等で、全体として見れば大気中のCO2を増加させたことにはならないと考えられています(カーボンニュートラル)。

発電と山林整備

ここでは近隣の山林から出た間伐材、木の皮、林地残材(※)や、木材製品として使用できない端材や丸太などを粉砕してチップ化したものを主に発電燃料として活用しています。
木材燃料を使うことは廃棄するしかない原料の有効活用という理由だけではなく、山林の整備という大切な役割(★)も担っています。

※林地残材とは/伐採後に残り、山林に放置された枝や葉のこと。
林地残材があると下図のように山地災害の原因にもなります。

★ 山林を手入れする重要性

間伐が行われず木々が込み合った森林では、木々の成長が悪く、二酸化炭素の吸収力も低下します。また間伐されていなかったり林地残材があると、太陽光がほとんど差し込まないため土地がやせ、下草も生えず、根もしっかりと張ることができません。そうなると、風雪害を受けやすくなり、土砂崩壊等の山地災害が起きやすい森林となってしまいます。そのため、定期的な森林手入れは必要なのです。